2001年4月末に札幌に行ったとき、数年ぶりに札幌芸術の森を訪ねました。
ここには有島武郎が住んでいた家が移築され、「有島武郎旧邸」として保存されています。この家は、もとは北海道大学の前(北12条西3丁目)にあり、有島武郎が1913年(大正2年)に新築し、翌年まで住んでいました。その後、森本厚吉先生が購入し、1920年(大正9年)から1924年(大正13年)まで住んでいました。その後、持ち主は農林中央金庫、三井武光氏、財団法人北海道大学住宅建築協会、北海道大学と変わりましたが、1983年(昭和58年)に廃寮になり、取り壊す話が出ましたが、保存することになり、1986年(昭和61年)に札幌芸術の森に移築されました。その時に外壁は塗装し直されています。現在は、有島関係の資料館となっています。
有島がこの建物と敷地を北海道大学に寄付しようとしましたが、大学では建物や土地の寄付でなくて現金の寄付なら受けるということだったので、森本厚吉先生が購入し、その代金を有島から大学に寄付したものです。森本先生は1922年(大正11年)にこの建物と土地を基本財産として、「財団法人文化普及会」を東京で設立しました。この文化普及会から女子経済専門学校ができ、1951年(昭和26年)に現在の東京文化学園となりました。
当時の建物の絵は2号館の廊下(第一応接室の前)に展示してありますので、ご覧ください。
- 札幌芸術の森
- 札幌市南区 電話:011−592−4123
- 交通:
- 札幌駅から地下鉄南北線で「真駒内(まこまない)」下車、バスで10分、
「芸術の森入口」下車すぐ。地下鉄はすぐに来ますが、バスは1時間に1本程度です。
- 休館日:
- 夏は毎日開館、冬は月曜日が休館
- 参考資料(本学図書館にあります。):
- 「森本厚吉」 1956年(昭和31年)、森本厚吉伝刊行会、河出書房
- 「有島武郎の札幌の家」1987年(昭和62年)前川公美夫、星座の会(有島会館友の会)
(2001年8月23日)