東京文化学園:理事長の部屋

東京文化高等学校 卒業式 祝辞

−2002年3月1日−


高等学校卒業式


理事長 森本晴生

 卒業生のみなさん、本日晴れのご卒業おめでとうございます。ご父母の皆さまにも心からお祝いを申しあげます。東京文化学園を代表してご祝辞を申しあげます。

 今年は学園創立75周年を迎えます。皆さんは75周年の卒業生となりました。創立以来、太平洋戦争、高度成長、バブル崩壊など、さまざまな条件あるいは環境のもとにありました。その間、創立時の教育理念と使命感そして教育魂(だましい)を拠(よ)り所にして、創造的な教育活動を一年一年積み重ねて、75周年を迎えたのであります。そのことを思うと歴史の重みと手応えを感じます。私どもは、初代校長新渡戸稲造先生、そして創立者森本厚吉先生の跡をただ求めるだけではなく、お二人の先覚者が「求めたもの」(しようとしたこと)を求めることに心をとめ、教育魂の灯火(ともしび)を原動力にして、今日を迎えたのです。

 その間、ご父母の皆さまには後援会の会員として、学園に側面からご支援いただきました。そしてまた、父母の会のお立場からは、教育充実のための教育費助成活動をはじめ、バザーなどで、教育を実らせるご支援・ご尽力をいただきました。この場を借りて、改めて平素のお力添えに感謝し、心からお礼申しあげます。このような皆さまからの熱いお気持ちを、教育の面でお報いできるように、学園をあげて奮闘努力してまいる覚悟であります。

 卒業生の皆さんは、オリンピックであの高いジャンプ台に立つ選手のように、今、広い展望をもち、これまで培った力を総合して、大きく飛び出そうとする心境でしょう。競技には記録と順位のほかに、他の人に感激を与えるという目標があります。人間として実生活を生きる時には、記録での順位ではなく、かけがえのない自分らしさを最大限に伸ばし、どのような感激を人に与えるかが問われるものです。自分にしかできないことを創り出し、それを皆に伝える心に大切な意味があります。

 皆さんは、高等学校での教育活動を通して、オンリーワンの自分さがしをして、自分を活かす道選びをしてきたことと思います。比較するナンバーワンよりも、たった一人の自分を拓くことがこれからの課題となります。それぞれの道を歩み、厳しい状況にあっても、校歌の一節にあるスマイルをもって、逆境を拓(ひら)いていく逞(たくま)しさと向上心を期待しています。

 学園も社会の状況を反映して年々厳しい状況下にありますが、創立以来の教育魂と教育理念の灯火を守りながら、心の拠り所になる母校にして参ることを申し述べて、お祝いのご挨拶といたします。



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