-1- 第252号 | 昭和52年10月11日 |
祝創立50周年
学園創立50周年を祝う
記念式典は10月16日(日)に開催
来る十月十六日、本学園創立満五十周年の意義ある日を迎える。−学園五十年史及び年表も刊行−
昭和二年、女子文北高等学院として開学された学園は、現在、幼稚園、小学校、中学校、高等学絞、短期大学、並びに医学技術専門学校の六校が、建学の理念を基盤としてそれぞれ精進し、発展の一途を辿っていることは、ひとえに諸賢のご支援と、ご協力によるものと感激にたえない。
記念事業計画は順調に進行
五十周年記念事業計画の校地購入も、学園に近接して一千坪の実現となり、増築絞舎の一部も完成した。
なお今後引き続いて計画の推進に努力することになっている。
五十年の歳月をかえり見て、決して平坦な歩みのみではなく、困難な時も多々あったが、創立者の教育理念が継承されて今日を迎えることが出来た。
前進する未来像は、新しい世代を背景として、着実な展望が期されねばならない。
学園五十年史の刊行もなり、加えて学園史年表も発行された。
また、学誌「文化生活」の前史「文化生活研究」についても、各専門別の見地から、その足跡を辿って綴られ、時代に先だって啓蒙された学問的背景や教育効果、あるいは指導性などの考察が行なわれた。
今後の発展に一層の努力を誓う
式典は、十月十四日、現教械員一同、理事長はじめ理事各位と一堂に会して祝賀の集いを行うことになっており、十月十六日、学園ホールにおいて、創立以来ど協力頂いた方々や、学園将来の発展にお力添願わねばならない方々をおまねきして式典が行なわれる。
更に、創立百年、二百年のいや栄を希いつつ、五十年の歴史をかえり見るに当り、創立者の建学の精神を偲びつつ現況を報告し、発展のため一層の努力を音って祝賀式典の所感とする。
学園理事 落合勝一郎氏
国際病院連盟常任理事に就任
本学園落合勝一郎常務理事は、聖路加国際病院常務理事として活躍されているが、去る五月末に東京で開かれた国際病院連盟(IHF)の第二十回コングレスに於て同連盟常任理事に選出された。
今回は定員二十名のうち1/3が改選されたが、落合理事はみごと当選し、今後六年間の任期を国際病院連盟常任理事として更に活躍されることとなったものである。
学園が創立されて十月十六日に満五十年を迎える。
五十年の星霜は、永遠の生命をもつ教育事業の生命から見て、決して長いものではないが前進のための基盤としての意義は深い。
その使命の責任と抱負に身を正す想いである。
縁あって同じ学園に学ぶ者の絆は、生涯の大きな心の輪となろう。
昭和二年秋創立された学園に翌三年三月制定された校歌の精神を考えて見たい。
作詞された山田武彦氏は、北大、農業経済教室における森本厚吉先生の教え子で、文学の造詣が深かった方であり、歌詞は創立当時の新渡戸稲造先生や森本厚吾先生の思想を表現している。
作曲の岡野貞一氏は、当時の一流のオルガニストで、格調高いリズムは、学生、生徒に愛されている。
東京文化学園五十周年に想う
学長 森本 武也
歌詞の各節のはじめが、それぞれ「そらは」、「地」は、「そらにも地にも」、で始まっているのは、「天地位して万物育つ」(中庸)という東洋古典思想を歌ったものである。
歌詞には、head,heart,handsの3Hが歌われており、学園の教育理念である。
この精神を体して伝統の灯が脈々として継承されて来た。
「真理は汝等に自由を与う」の聖書の句が第3節に織り込まれており、正しい理論を身につけれは、心の自由が得られ、正しい行動をすることが出来る。という意味である。
「おとめはえまいて」は、創立当時、赤文字で印刷されたSmile(微笑せよ)の小札がよく校内に貼られてあったが、ほほえみは人の心を明るくするもので、社会生活に大切なことは云うまでもない。
そらは碧りにはろばろと高き心を望みにて・・・・と、心明るく高らかに、清らかに、香り高く歌おう。
そして、活く頭、寛き心、勤しむ双手をモットーとして人間形成につとめ、知育、徳育ともにすぐれた人として次の世代をになうべく精進しよう。