-6- 第338号 | 平成12年12月10日 |
医学技術専門学校 不安そして感動と成長
慶應義塾大学病院 橋本千里就職してはやいもので八ヶ月が経ちました。はじめのうちは緊張と不安の毎日でしたが、ようやく新しい環境と生活に慣れてきました。一年間は研修期間のため、検査部部受付・血液検査室・化学検査室を四ヶ月ごとローテーションしています。
現在私は血液検査室の研修を終え、検査部受付に所属し、検査を行っている全ての検体を受付しており、血液遠心分離等の前処理をして分析側に渡しています。医師からの検査についての質問や、結果に対する問い合わせ等も受けており、分析側と医師、患者さんを結ぶ大きな役割を果たしています。臨床検査は新しい検査法の開発分析機器の自動化、コンピュータによるデータ管理システムなどエレクトロニクスの進歩をはじめとする周辺科学・技術に支えられ進歩してきました。このような進歩に対応していくには基礎的知識を土台に熟練した技術と専門的な知識を身に付け、多くの経験を積わことが重要だと思っています。医師と共に学会や学術検討会等に参加して、臨床検査を行って初めす診断できる病気が次第に増えてもていることを知りました。また、臨床検査は薬の使い方や治療の方針を決めるための参考にも使わ心ており治療の経過を観察し、病気の重症度の判定や治療判定、また病気の予防面でも大きな役割を果たしていることがわかりました。将来的には、積極的に検査部プロジェクトチームの研究にも参加していきたいと考えています。
私には他に採血業務があります。最初のうちは血管に針を入れることと、真空管の抜き差し時に針が抜けないようにすることに精一打で緊張し手に汗握る毎日でした。段々と針の固定がうまくなると少し余裕ができ、患者さんの様子を見ることができるようになりました。また、夜勤や日勤では二人で血液系・化学系に仕事を分担して行いますが、それぞれ変動する物質同士の関係を理解し時系列等を見て、透析の有無や手術をしたか、輸液混入などのチェックを一人で判断しなければならないので、難しいですがとてもやりがいがあります。現在、臨床検査は病気の診断・治療に科学的根拠を与えています。臨床検査の役割が将来に向けて益々重要なものとなり、これに伴い臨床検査技師の役割も多様化すると思います。最新の情報・技術・知識をキャッチし、チーム医療のメンバーとして責任と自信を持って行動をとり、年数を重ねても日々の中で感性をうしなわずに成長していきたいと思っています。(平成十一年度卒)
毎日頑張って働いています
東京医科歯科大学病院 松本美紀四月から病院輸血部で働き始めて間もないですが、先輩方に色々なことを教わりながら、毎日頑張っています。
近年、医療ミスが絶えませんが輸血におけるミスは、患者さんの命に関わる重大なミスとなってしまうので、絶対にミスを起こさないように細心の注意をはらいながら、慎重かつ迅速に検査をしています。輸血部での主な仕事は、輸血する血液が患者さんの血液と混ざった時に異常が起こらないかどうかを事前に調べることです。万が一、異常を見過ごしてしまい患者さんに輸血をしてしまうと、発熱など副作用を起こしてしまいます。また、ABO式血液型を間違えて輸血してしまえば、患者さんの命を奪ってしまうことになります。そのため、ABO式血液型を調べる時には、複数の人が同じ検査をし、お互いに相違がないことを確認してから結果を出すようにしています。もうひとつの大切な仕事は輸血する血液の管理といろ仕事です。輸血用血液は善意の献血から作られたものを血液センターから供給してもらっています。多くの人の善意を無駄にせず、また出来る限り効果のある血液を輸血してあげられるように、毎日混度管理をしながら保管しています。
その他の仕事として、自己血採血も行っています。輸血部において唯一患者さんと接する仕事です。外料的な手術などで事前に手術日が決まっている患者さんが、手術中の出血に備えて自分の血液を為らかじめ保存しておくものです。他人の血液を輸血するより副作用が少ないため、とても需要が高まっています。この分野においては臨床検査技師は患者さんから直接採血することはできませんが、授血する医師の補助をし、採血中の患者さんの状態に気を配り、不安を和らげる様に心がけています。また、採血した血液を患者さんに輸血するまで保管しておくのも大切な仕事です。輸血部での仕事は、患者さんと直接触れ合う機会は少なくなったものではありませんが、命を支えている大切な仕事なので、これからも日々勉強し、人の役に立っていきたいです。(平成十一年度卒)