-3- 第339号  TokyuBunka Times  平成13年3月12日

短期大学

 卒業生の皆さんへ

短期大学学長 村松一郎

 卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。また、卒業生の皆さんを、今日まで暖かく支えてこられたご父母の皆様に、心からお祝いを申しあげます。
 さて、皆さんは新しい21世紀の初めての卒業生であります。しかしながら、新世紀とは言っても世の中は不景気から一向に立ち直らず、また政界を始め一般の社会まで、いろいろのいまわしい事件が連日のように起きています。新しく社会に船出して活躍しようとしている皆さんにとって、もっと明るく正義と希望に満ちた日本であって欲しいと願うのは、皆さんを送りだす教職員全員の気持だと思います。しかし現実は大変きびしいものがあります。ただ、現実の日本の社会が暗いものであっても、これから船出する皆さんは、人々が寛い心をもって理想を失わず、希望に満ちて暮らしていけるような社会の確立に役立っていただきたいと思います。
 心の問題といえば本学園の創立者森本厚吉先生が建学の柱とされたキリストの言葉 Veritas Vos Liberabit を卒業にあたって今一度思い起して下さい。「真理はあなたがたを自由にする」と訳されております。この言葉に関連して森本厚吉先生は「教育の目的は、物知りや物持ちになる準備をするのではなく、誠実に真理を探求することによって純真の人となる事である。」と述べておられます。
 20世紀の日本人の生活は、物質的な面では格段に向上しました。しかし精神的な面ではどのように発展してきたのでしょうか。今、21世紀を迎えた日本は民主主義の自由な良い時代となっています。しかし、先に述べたように、色々な事件が相変らず起きていて、道徳的な面での進歩は殆どないのではないかという気さえします。今是非とも必要なものは、若い人々の正義感と行動力ではないでしょうか。
 新渡戸稲造、森本厚吉両先生が説かれた3H精神については、いまでは皆さんよく理解されていると思います。何かの縁あってこの大学で学んだ皆さんが、何時までも本学園の建学の精神を体して、正しい精神文化の発展に役立って下さることを期待しています。
 何事をするにも時間がかかります。そのために健康には充分留意して下さい。そして、いつまでも母校に関心をもち、折に触れて訪れてくださることをお願いして、送別の辞といたします。


学生へeメールアドレスを付与

情報処理委員会 藤井輝男

 2000年度から、学園にウェッブメールサーバーが導入され、個人専用端末を持たなくてもeメール利用が可能になりました。そこで、当短大でも学生に(eメールアドレス(@ml.tokyobunka.ac.jpがついている)を付与し、eメール利用による情報収集や就職活動等を支援することが出来るようになりました。
 今後、短大では、情報機器演習や就職講座の他に「インターネットおよびeメール利用講習会(仮称)」を適宜開催し、インターネットを利用する上での注意点、eメールのやりとりに最低限必要なマナー等を知ってもらえるようにしていく予定です。

家政科 家政科

漢字知識の重要性


短大講師 石森 眞子

 今年も厳しい就職状況の中で、学生が「常識試験」で苦労していると聞く。私自身も栄養士の就職試験を受けた直後の学生に「専門科目はそこそこできたと思うけど、常識がなかった。」というような話を聞いた。常識とは何だろう?国語辞典によれば「健全な社会人が共通に持つ、また持つべき一般的知識や判断力・理解力・思慮分別など。」である。子供から成人へと成長する過程で身につけ、社会へ出る前に養っておくべき事、人間として生きていく上でも必要な事である。しかし、学生がどんな問題で「常識がない」と感じているかというと、その一つが漢字である。漢字が書けない、読めない、選べなかったことでショックを受けている。
 情報機器演習を担当していても漢字を苦手とする学生が増えていると感じる。ワープロ入門のテキストであるから、決して普段なじみのない漢字ではないが、読めずに質問する学生数も聞かれる漢字数も増えている。ワープロ練習初歩の段階では、文字が正しく読めないと文字入力が困難である。なぜ漢字の読みについて質問が多いかと考えてみると、読みさえわかればキーボードを打ち、自然に文章が成立してモニタに表れてしまう弊害だろうか。最近は考えて、調べて文章を書くことが減っているからとも思われる。会話もキーワード的にいくつかの単語での話で、文になっていない。だから身近にいる特定の友達とは話ができても、多数の人に自分の意見をハッキリと伝えられなくなっている。
 ワープロ検定においても実技試験と筆記試験があり、筆記ではパソコンやビジネス文書に関する知識、漢字の知識が問われる。この中で漢字の同音意義語を選択する問題が難しく自信がないという声が多い。ワープロを使う人には文字変換において正確な能力が必要であるし、たとえ文字入力のスピードが早くても誤変換、誤字が多くては困るのである。ワープロ主流となっても文章を作ることは大切である。
 時代が変化しても人と人とのコミュニケーションは必要であるし、言葉の知識は大切である。
学生にも社会人としての一般的教養・正しい言葉の必要性を感じてほしい。


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