-1- 第349号  TokyuBunka Times  平成16年7月7日

創立八〇周年に向けて

――文化の再興へ――

新制服での授業  創立七十八年を迎えた学園では、文化の最先端を行く東京文化学園の実現を目指して、新たな取り組みを進めています。創立者・森本厚吉先生、初代校長・新渡戸稲造先生の教育理念を今の社会環境に通じるように翻訳しているともいえます。
 新渡戸先生は11月から五千円札からの顔の役を降りて、その後は樋口一葉に替わります。しかし、新渡戸先生が最後に校長に就任された本校は、先生の教育理念を受け継いだ最終走者として現在を走り続けています。

新制服での授業


ルネッサンス80

 「ルネッサンス80」プロジェクトは創立八〇年に向けて「文化の復興」を目指すもので、学園関係者の共同作業です。いろいろな部門やグループからの意見・アイディアを集め、問題点を整理し、取捨選択して、展開していきます。実行委員会は委員長を学園理事長。各理事・各監事・各学校長または副校長、同窓会会長・副会長を委員とし、学園事務局長が委員会の事務局長にあたります。


目標共有制度

 学園の質の向上に向けて「目標共有制度」を導入し、学園共通理念を再確立し、その理想実現のためにシナリオを作成します。各学校では、そのシナリオにそって具体的な目標を設定します。
 その目標を、各教員、事務担当者ごとに具体的なものとし、その目標を個人のレベルでシラバスや業務計画書を作成します。


学園倫理委員会

 学園の諸活動を倫理面や法令の面から再点検する必要があるので、「学園倫理委員会」を設置しました。短大にはすでに倫理委員会がありましたが、対象が学生に対する調査などに限定されていました。
 学園倫理委員会は、学園理事長を委員長に、各学校の教頭などを委員にあて、学園事務局長が委員会の事務局長の任に当たります。具体的には、個人情報の保護、クレームへの対応、セクハラへの対応、学園外部からの問題などを対象とします。
 学園の倫理綱領を定めるとともに、個別の項目についてのわかりやすいパンフレット類を作成し、教授会、教職員会議、研修などを通じて、学園全体の行動を基準化します。トラブルが発生した場合の対応も基準化し、迅速な対応をはかります。


短大で保育士養成へ

 短期大学では、生活学科に児童生活専攻を新設し、保育士の養成を始めました。保育士は三年の学修が必要とされるので、生活学科の二年間と専攻科の一年間を合わせての三年間の学校生活のあと、保育士の資格を得ることになります。これにより、短大では、栄養士、介護福祉士に加えて三つ目の国家資格の養成施設となります。


医技で全員が国家試験合格

 医学技術専門学校では、今年も臨床検査技師の国家試験に卒業生全員が合格し、病院などでの検査の分野で活躍し始めました。日頃から、学生の皆さんの努力の結果ですが、学校としてチューター制を取り入れるなど、学生の学習意欲を増し、理解度を高める対応も良い影響を与えています。


中高で「三つの約束」

 中学高等学校では、教育理念をわかりやすくするために、「手作りの安心発育」など、具体的な三つの約束を掲げて、教育内容を説明します。生徒を「未来からの留学生」としてとらえ、二〇年後、三〇年後の未来に送り返し、国際社会で大きく羽ばたくことを期待しています。



「学園祭」統一名称制定

 名称は「新渡戸祭」。正式表記は漢字を用いるが、その他「にとべ祭」「ニトベ祭」「Nitobe祭」など、利用目的によって使い分けをすることになった。新渡戸精神で学園祭の発展を期待したい。



新渡戸稲造の研究者が来訪

 さる三月三日には、ドイツのボフム大学東アジア研究学部日本史学科のレギーネ・マティアス教授とシュミットポット助手が短大を訪問し、図書館で新渡戸先生関係の資料の閲覧し、森本学長から説明を受けた。
 六月二十六日には、カナダのビクトリア大学太平洋アジア学部の野呂博子先生が短大を訪問し、森本学長から新渡戸先生の説明を受けた。



新渡戸稲造展に協力
札幌市時計台

五千円札の肖像が樋口一葉に替わるので札幌では新渡戸先生に「さよなら」の催しが行われています。札幌市時計台では、7月1日から9月30日まで、二階で「新渡戸稲造展」を開催します。
 本学園から、先生の書かれた額四点、先生の署名のある「教職員心得」などを写真展示します。
 北海道旅行の時にはどうぞお立ち寄り下さい。


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