-3- 第349号  TokyuBunka Times  平成16年7月7日

短期大学

児童生活専攻スタート

活気のあふれる短大キャンパス

 児童生活専攻が新たにスタート。食物栄養・生活福祉・児童生活の三専攻共に定員を満たした。男女共学は二年目を迎え、男子新入生も二十名が新たに加わった。授業にも、クラブ活動にも一層の活気を帯び、良い意味で、東京文化学生気質にも変化が見えて来ている。五月二十九日には恒例の新入生歓迎・親睦の「スポーツ大会」が開催され、クラス対抗の大イベントとなった。各クラス毎に準備されたお揃いのTシャツでの出で立ちとなり、応援の声は体育館に轟き、どの種目もレベルアップの熱戦となった。また、本学独自のユニークな講習会であるネイルアート、純銀粘土、刃物研ぎも学生に人気である。積極的にトライしようとする素直な活力を伸ばしていけるように全学でサポートしたい。

(教務部)



スポーツ大会・バスケットボール

スポーツ大会・バスケットボール



ガンバレ!
未来の保育士たち……

児童生活専攻主任 星 道子

スポーツ大会にて(児童生活専攻) 「先生、おはようございます!」
 目をキラキラと輝かせながら声をかけてくれるのは、今年から新しく発足した児童生活専攻の学生たち。保育士を目指しての出発だ。
 彼らは、明るく元気なだけでなく、やさしく、思いやりのある学生たちである。大きな荷物をしょって歩いている私を見つけると、「先生、お荷物をお持ちします」と言って駆け寄って、私の荷物を児童専攻の部屋まで運んでくれる。授業が終われば「ありがとうございました」といいながら黒板をきれいにしてくれる。保育士として一番大切な基礎を身に着けている。
 四二人の少人数制のこのクラスには、いずれイケメン保育士になるであろう十一人の男子学生がいる。「力仕事ならなんでもしますよ!」と言ってくれる、保育園での運動会のときには重いマットを軽々と持ち上げ、子どもたちがいつも慕って離れないような、そんなすばらしい保育士になってくれるであろう。
 今年からできた保育実習室は、机といすを片付けると保育室に変身する。人形芝居の道具や、ままごとコーナーなどの様々な道具を通して、子どもたちとのふれあいが楽しいものとなるためのいろいろな経験を、ここで学んでいく。
女の子の中には、十ヶ月の大きさの赤ちゃん人形を見つけて、「この子、寒そう」と言って、手作りの洋服を作って着せてあげる学生もいる。
新生児の赤ちゃん人形を抱っこするときも、妹のいる学生に抱き方を聞きながら抱き方を覚えていく。若い母親=保育士の卵は、このように自然の中で学んでいく。
「先生、私、この学校に入ってよかった」という、ある学生の一言を聞いて私はとてもうれしくなった。
東京文化短期大学の学生を、世の中で最も必要とされるような人間に育てなければいけないという、責任の大きさを感じさせられる。




生活学科 生活学科

対人関係の心理学


心理学研究室 永房典之

 4月に入学したばかりの新入生は、最初は友達ができるかどうか心配だっただろう。しかし、夏前の7月頃にでもなれば、もう気の合う仲間ができているのではないだろうか。社会心理学の研究では、そんな仲間になるきっかけ、いわば親密な関係になる理由として、物理的近接性(つまり、席が近かった、家の帰る方向が同じなど)が挙げられている。そして、仲良しグループになる特徴は、趣味や価値観の似ている人同士のようである。また、そのなかでも親友や恋人にまでなる人は、性格が違う者(ときには正反対)が多いことが指摘されている。これらをまとめれば、「類似性(似ている)」と「相補性(自分に無いものをお互い補う)」ということになる。似てないのになぜか気が合う、それは「相性が良い」のである。
 しかしながら、そんな「他者」にはむしろ腹が立つことが多い。では私たちはどんな対人関係観をもって人生を送れば良いのであろうか。人生経験としては未だ若輩で恐縮であるが、小生が出会った処方箋としての名著を紹介したい。それは、新渡戸稲造先生著の『世渡りの道』である。著名な『武士道』も良いが、この本も大変すばらしい。私はたまたま道徳性心理学者の大御所の先生から紹介され読んだのだが、「目からウロコが落ちる」感銘を受けた。詳細はここでは割愛するが、そこにあらわれているのは、新渡戸先生の「人間愛」、さらにいえば、他者への「感謝」の心の大切さである。現代の日本は、「個性」や「自分」が大事といわれ、その一方で対人関係に悩む。そんな時代だからこそ、私たちにはさまざまな他者への「感謝の心」が必要なのではないだろうか。

(生活福祉専攻)




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