-7- 第349号 | 平成16年7月7日 |
小学校
『かいこの森』写生会奮闘記
図画工作 木下陽児
「♪この〜木、何の木、気になる木〜♪ 気に入った一本の木を主人公にして描いてみよう!」
『かいこの森』の写生会は、図画工作を担当する私の一風変わった歌にのせた描き方アドバイスとともに幕を開けました。
小学校の図画工作では例年、写生会を新宿御苑で行ってきましたが、今年度は子どもたちが新鮮な気持ちで取り組める動機付けになればと思い、『かいこの森の写生会』と題して心機一転、蚕糸の森公園で行いました。
風薫る五月の中旬、写生会は初日に二、三年生、翌日に四、五、六年生の子どもたちがスケッチブックと絵の具セットを携え緑茂る公園に徒歩で向かいました。
到着するとすぐ早く早くとやる気に目を輝かせた子どもたちが思い思いの場所にレジャーシートを片手に陣地をとりに走ります。
●カメと遊ぶ天才画家二、三年生
コイやチョウ、カモなそのたくさんの生き物に囲まれながら子どもたちは小さな天才画家に変身して生き生きと描き始めるのですが天才画家たちは絵もさることながら遊びも一流です。どうやって捕ったのか池にいるカメを捕まえてきてしまう程です。子どもたちの絵にはそれらの生き物たちも登場しています。
●執念のつぶつぶ作家、四年生
四年生は憩いの広場という草原のふもとの人造のせせらぎを主に描いたのですが、土留めのために埋められた無数の石の丸の形を一つ一つ丁寧にスケッチブックに刻み込んだ子が印象的でした。執念とも言える子どもの集中力にはとにかく脱帽するばかりです。
●成長がきらりと光る五年生
五年生は「水にうつる」景色をどうしたら描けるかに苦心しましたが、五年間培ってきた観察眼は確実に成長していることが完成した絵に滲んでいます。
●大正時代を描ききる六年生
公園には大正元年に建築されたと言われる煉瓦積みの洋風建築物、旧蚕糸試験所・守衛室と凝った装飾が時代を窺わせる門柱とが残されています。
さすがは六年生。この難しい題材に果敢に挑み、大正時代の懐かしい息吹をしっかりと描き出していました。
晴天の内に終わった『かいこの森の写生会』。子どもたちは白く輝く絹糸に勝るとも劣らない素晴らしい絵を紡ぎ出してくれました。
こども 五月の花園
小学校長・幼稚園長 福田景三郎
今年も新しい家族を迎えて学校がスタートしました。
最初は、喜び半分、緊張半分だった一年生もようやく学校生活に慣れてきました。四月からたくさんあった笑顔が又どんどん増えています。
まるで五月の庭にいるようです。
においまつりかの紫の花、ブラックベリーのピンクの花、あじさいの白や紫、びようやなぎの深黄色、セージの紫、まさにどっちを向いても花花花、笑顔、笑顔、笑顔。
においまつりかのように少しずつ色が変わりながらすてきな香りでまわりをうっとりさせる花、ブラックベリーのように、もう少しで美味しい実がなりますよと語りかける花、あじさいのように小さい花がたくさん集まって、一緒にいるって楽しいねとささやく花。
一つ一つ違うからそのすばらしさが実感できます。どの花がなくても寂しいように、私たちだれ一人としていなくちゃこまる大切なお友だちです。
全校礼拝で賛美歌を歌う時、ご本を一度も見ないで大きな声で歌うなおちゃん、終わった後で
「先生、わたしちゃんと歌えたよ」
「うん、すごいね。お歌全部おぼえているんだ。えらいな」
にっこりお下げが大きく揺れました。
ある朝のグラウンド礼拝の時、真っ青な空の下、一所懸命並んでいる一年生。一番左端の列が曲がってしまいました。後ろの方にいたさらちゃんがすうっと前に来てお友だちにやさしく教えてあげました。列は定規で引いたよう。すばらしいね。
ななえちゃん、ななほちゃんは一輪車に挑戦。壁づたいに動けるようになりました。すごいね。
ともみちゃん、ゆりかちゃん、きよかちゃん、あゆみちゃん、まゆこちゃん、まさきくん、もゆかちゃんたちはお窓のところや校長室に来て楽しいお話をしてくれます。
まだ二ヶ月足らずなので十分な時間がとれずにいますが、先生は四十人みんなともっともっとお話をしたいなあと思っています。