野尻学荘とは…

そもそも小林弥太郎という実業家がおりました。
弥太郎さんはメリケンでジョン・デューイなる進歩主義教育を学びました。 またカナダ、アメリカの少年キャンプを視察しました。
そして思ったのです。

「さうだ!日本の少年の未来のためにコレをやらう!」

驚いたことに、弥太郎さんは自分の金でコレを実現してしまったんだよ。
当時の実業家は土地やゴッホの絵なんかは買わないんだ。
少年の教育にその金を使ったたんだね。
日本中をテクテク歩いて、ついに野尻に土地を買ったんだよ。
建物もコツコツと建てたね。
そしてボランティアの青年を集め、指導者として自分で鍛えてしまったんだ。
たまげた人物だね。
昭和7年、第1回野尻学荘は開かれたんだ。
夏の5週間だぜ!
今は2週間だけど、もう62回もつづいているんだ。

小林弥太郎と野尻湖

「なすことによって学ぶ」

そら出た、教訓めいた言葉が。
しかし皆さんはここでメゲてはいけない。
弥太郎さんは言ったもんだ。
「どんな教育的な経験も、子供が興味を持たなかったらなーんにもならんのよ」
だから「あれって楽しそうだな、オレもやってみたいな、と思わせなくてはいかん」
そして「良い環境は個人の人格に影響を与える。またれそによって環境も変わるのだ」
おお、巡る巡るよプラス思考の回転木馬!
それが現代の野尻学荘の基本的考えなのよ。

「野尻学荘の目標」

え?眠くなった?
オジサンは許しませんぞ。最後までちゃんと読みなさい!
だからさ、若いうちに通常に埋没し煮詰まった環境から離れてさ…。

1)美しい自然の環境のなかで過ごす。(おお、美しい言葉だ!)
2)必ずや楽しい事がある。(おお、なんと快適な!)
3)アニキ的リーダーと一緒に暮らす。(リーダーはバカでもある!)
4)同年代のガキと一緒に楽しむ。(ガキだってバカで充分さ!)

てな生活を通して…

A)少年の一人一人の個性の成長をはかる。
B)社会性の豊かな成長をはかる。

…ことなんだわ。
なんだか少しむずかしいけど、結果としてはスゴク楽しい人の集まりなんだわ。

『野尻学荘とはなんぞや?』

夏の15日間、長野県の野尻湖畔で行われる少年キャンプ。

レジャーキャンプではなく教育キャンプ(すごいねコリャ)

キャビンは電気は無く、ランプの生活。

ランプの夜

中学1年から高校3年の男子のみ。(7才にして席を同ぜず、の時代からあるもので)

ヨット、カッター、カヌー、カヤック、水泳、アーチェリー、音楽、陶芸、写真、
アスレチックその他多くの施設があり、指導者も万全。

インディアンカヌー

安全指導も万全。ライフ&サバイバルの精神が染み込んでいる。

遠泳や寸劇、オペレッタなんかもやるんだぜ。

リーダーは大学生を中心に全てボランティアの優秀なる青年。
夏の2週間をめざし、1年のあいだ理論や実践のトレーニングを積んでいる。
何年も続けて参加するリーダーが多く、現場経験も理論蓄積も豊富。
だけどマンネリはしないのよ。
なぜならば年功序列の上下関係がないので、先輩がエバッて楽をする場面が存在しないからね。
彼等は一見すると大バカに見えるが、実は志の高い、非常に優秀な青年たちである。

リーダーを指導する人達が、これまた極めて優秀である。(彼等はバカには見えない。…と思うが)

リーダーはよく水没する…

社会に出た多くのOBが野尻学荘をサポートしている。

おまけ。
一応プログラムはあるけどさ、フジサンケイグループなんかのキャンプと決定的に違うことはさ、プログラムを受け身で消化するんじゃないんだわ。
自分で考えだし、実行することができるんだわ。(正確には、しなくては楽しくない)
あるリーダーと少年たちは、キャンプ場を出て海水浴に1泊旅行にでかけた。
アホな連中だ。
海水浴なんて誰でもいくぜ。
だけど、そのなかで彼等は「生きていく姿勢」を見付けるのだった。
なんだか今どき青春ドラマやね〜。
どうしてそんな事がありえるのか?
それが「学荘の不思議・学荘マジック」なんだわ。

ちなみに、そのリーダーはアホが高じて慶応義塾大学の教授になってしまった。

以上、ご静聴ありがたふ。


きつつきNGクラブとは…