そもそも小林弥太郎という実業家がおりました。
「さうだ!日本の少年の未来のためにコレをやらう!」
驚いたことに、弥太郎さんは自分の金でコレを実現してしまったんだよ。
「なすことによって学ぶ」
そら出た、教訓めいた言葉が。
「野尻学荘の目標」
え?眠くなった?
1)美しい自然の環境のなかで過ごす。(おお、美しい言葉だ!)
てな生活を通して…
A)少年の一人一人の個性の成長をはかる。
…ことなんだわ。
夏の15日間、長野県の野尻湖畔で行われる少年キャンプ。
レジャーキャンプではなく教育キャンプ(すごいねコリャ)
キャビンは電気は無く、ランプの生活。
中学1年から高校3年の男子のみ。(7才にして席を同ぜず、の時代からあるもので)
ヨット、カッター、カヌー、カヤック、水泳、アーチェリー、音楽、陶芸、写真、
安全指導も万全。ライフ&サバイバルの精神が染み込んでいる。
遠泳や寸劇、オペレッタなんかもやるんだぜ。
リーダーは大学生を中心に全てボランティアの優秀なる青年。
リーダーを指導する人達が、これまた極めて優秀である。(彼等はバカには見えない。…と思うが)
社会に出た多くのOBが野尻学荘をサポートしている。
おまけ。
ちなみに、そのリーダーはアホが高じて慶応義塾大学の教授になってしまった。
以上、ご静聴ありがたふ。
弥太郎さんはメリケンでジョン・デューイなる進歩主義教育を学びました。
そして思ったのです。
当時の実業家は土地やゴッホの絵なんかは買わないんだ。
少年の教育にその金を使ったたんだね。
日本中をテクテク歩いて、ついに野尻に土地を買ったんだよ。
建物もコツコツと建てたね。
そしてボランティアの青年を集め、指導者として自分で鍛えてしまったんだ。
たまげた人物だね。
昭和7年、第1回野尻学荘は開かれたんだ。
夏の5週間だぜ!
今は2週間だけど、もう62回もつづいているんだ。
しかし皆さんはここでメゲてはいけない。
弥太郎さんは言ったもんだ。
「どんな教育的な経験も、子供が興味を持たなかったらなーんにもならんのよ」
だから「あれって楽しそうだな、オレもやってみたいな、と思わせなくてはいかん」
そして「良い環境は個人の人格に影響を与える。またれそによって環境も変わるのだ」
おお、巡る巡るよプラス思考の回転木馬!
それが現代の野尻学荘の基本的考えなのよ。
オジサンは許しませんぞ。最後までちゃんと読みなさい!
だからさ、若いうちに通常に埋没し煮詰まった環境から離れてさ…。
2)必ずや楽しい事がある。(おお、なんと快適な!)
3)アニキ的リーダーと一緒に暮らす。(リーダーはバカでもある!)
4)同年代のガキと一緒に楽しむ。(ガキだってバカで充分さ!)
B)社会性の豊かな成長をはかる。
なんだか少しむずかしいけど、結果としてはスゴク楽しい人の集まりなんだわ。
『野尻学荘とはなんぞや?』
アスレチックその他多くの施設があり、指導者も万全。
夏の2週間をめざし、1年のあいだ理論や実践のトレーニングを積んでいる。
何年も続けて参加するリーダーが多く、現場経験も理論蓄積も豊富。
だけどマンネリはしないのよ。
なぜならば年功序列の上下関係がないので、先輩がエバッて楽をする場面が存在しないからね。
彼等は一見すると大バカに見えるが、実は志の高い、非常に優秀な青年たちである。
一応プログラムはあるけどさ、フジサンケイグループなんかのキャンプと決定的に違うことはさ、プログラムを受け身で消化するんじゃないんだわ。
自分で考えだし、実行することができるんだわ。(正確には、しなくては楽しくない)
あるリーダーと少年たちは、キャンプ場を出て海水浴に1泊旅行にでかけた。
アホな連中だ。
海水浴なんて誰でもいくぜ。
だけど、そのなかで彼等は「生きていく姿勢」を見付けるのだった。
なんだか今どき青春ドラマやね〜。
どうしてそんな事がありえるのか?
それが「学荘の不思議・学荘マジック」なんだわ。
NGクラブとは…