野尻学荘クラブでは、長年に亘る学荘の歴史を保存するためのアレをしています。
お手持ちの資料がございましたらどしどしお寄せくださいましね。
「第二回(昭和八年)野尻学荘募集」
のごく一部を正式公開に先立ち特別公開いたしましょう。
野尻學荘
−ご両親方へ−
趣意
特色の二
長期間の個人的指導
長期キャンプの特色の第二は、教育をうける期間が長いと言ふとこである。一ケ月をキャンプで過ごすならば、一學期以上通学すると同じ時間になるのである。此の間に、一人一人の性格を観察して、その長所を助長し短所を矯正するように、科學的な方法に従って個人的に教育することが出来る。
特色の三
統一ある標準による生活指導
家庭、學校、社會が同じ見解で青少年に働き掛けるところに教育の意義が全うされる。
然し乍ら現代に於いてはしばしばこの三者の見解が異なり、青少年は不統一なる生活を余儀なくせしめられる事が多い。然るに教育キャンプに於いては青少年の全生活が同じ基準に依って統一されているのである。されば青少年が、暫く不統一なる日常生活から離れて統一ある基準の下に、全生活を指導されることは教育上すこぶる意義深いと言はねばならぬ。
特色の四
個性と社會生活の助長
人間には個性と社會性との両面がある。両者は事實上分けて考えることの出来ないものではあるが、教育としては此の両者の教育を別々に行ふ必要がある。それは絶えず人とばかり接してゐると個性を失ひ、又獨りゐるものには社會性を失ふ事によっても知ることが出来る。短期キャンプに於いては、社會性の指導を専らとするのであるが長期キャンプに於いては、個性と社會性と二つ乍らを充分に発達せしむる機會を与える事が出来る。
(二)寝具
ベット(スプリング及マット付)毛布(二枚つゝきのもの三組)
マクラ、シーツ、カバー
(三)運動
陸上運動場(テニス、バレーボール、バスケットボール等)
水上運動場(飛込ミ臺、エンヂンボート、ボート数隻、和船)
(四)音楽
ピアノ、蓄音機、ラヂオ、チャイム
(五)
作業
木工、土木、塗料用具、寫眞現像用具、顕微鏡、携帯用テント及用具一切、陶器
荘 長 | 本會少年部委員長 | 小林彌太郎 |
主 事 | 本會少年部主事 | 鈴木 榮吉 |
グループ | 本會少年部指導者 | 中村藤太郎 |
指 導 者 | 同 | 大塚 昇 |
同 | 同 | 斎藤 勇一 |
同 | 同 | 佐藤 邦明 |
作業指導者 | 同 | 佐藤 勇 |
水 泳 | ||
動 植 物 | 額田 年 | |
ボ ー ト | ||
運 動 | 五味 正夫 |
東京帝國大學醫學部 小児科醫學士 長竹 正春
(二)訪問者の費用は次ぎの如くです。
三食 六拾銭 一泊 五拾銭 雑費 十銭
ボート賃(學荘のボートを利用する際はガソリン代として別に申受く)
(二)滞在期間は、二週間以上なら幾週間でも差支えありませんが、選定は、五週間滞在者から選定し、尚人員満ざる時のみ、五週間以下の滞在者を選定することといたします。
(三)七月二十三日(日)午前六時二十分上野發の列車にて東京を出發する参加者には特に指導者がキャンプ地まで案内する。
(二)滞在費
最初の二週間 | 金 十七圓也 | (一日一圓廿二銭の割) |
三週間滞在の者 | 金 二十四圓也 | (一日一圓十四銭の割) |
四週間滞在の者 | 金 三十圓也 | (一日一圓七銭の割) |
五週間滞在の者 | 金 三十五圓也 | (一日一圓の割) |
(三)分納
五週間滞在のものに限り分納を妨げず。
(二)人員 約二十名(外に指導者見習いとして中等學校卒業者五名を募集す)
(三)選定 面談の上定む。人員に限りがありますから、早く申し込まれたほうが便利です。
(一)申込 申込みは七月二十日までに下記へ。(但し定員に満ち次第締切)
(四)七月二十日までの申込者には時期を定めて身體検査をなす。
(五)七月二十日までの申込者には醫師の診断書を要す。
特に本會委員藤本武平二博士は次の所にて特別に診断の便を與ふ。
東京基督教青年會性格教育研究委員会
委員長 | 醫學博士 | 藤本武平二 |
明星學園長 | 赤井米吉 | |
正則中學校長 | 今岡信一良 | |
實業家 | 小林彌太郎 | |
元少年審判官 | 三井久治 | |
主事 | 鈴木榮吉 |
樂しい生活の中に次の諸點を伸しませう。