-1- 第339号 | 平成13年3月12日 |
学園の英語教育
--生きた英語のコミュニケーション--
東京文化学園は、新渡戸稲造先生と森本厚吉先生が力を合わせて作り上げた学校です。二人とも英語を学び、手帳には英語で日記を付けるほどになり、その英語を使ってアメリカ、カナダ、ヨーロッパで知識を吸収し、日本の情報を広めました。
101年前に新渡戸先生は英文で「武士道」、副題が「ソウル・オブ・ジャパン」(日本の魂、あるいは日本人の魂)という本を書いて日本人の心をアメリカに紹介しました。その後、この本は英語からさらにフランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語などに翻訳され、世界中で読まれました。英文の「武士道」のほか、和訳された「武士道」は各図書館(室)におかれています。
新渡戸先生から森本厚吉先生に送った英文の額が二枚学園にあり、会議室と短大図書館に掲げてあります。
For his Friend Morimoto(森本兄へ)
Haste not & Rest more
(急がないでもっと休め)
I.N. in Be harf his Family
(あなたの家族に代わって)
このような背景から、英語検定などの前に、中庭にある新渡戸稲造先生の胸像や正門内の森本厚吉先生像をなでにくる生徒がいるそうです。
本学園では、小学校から英語教育をネイティブ・スピーカーの教員によって実施しています。小学校では、一年生の時から「生の英語」にふれてもらえるように、ネイティブの先生との授業を行っています。
英語は「言葉」ですから、体で表現するということも大切。毎回いきいきとした授業展開を目指しています。ときには、外国からのお客さまが教室を訪問し、小学生と英語で会話をすることもあります。(写真は二年生の教室)
中学校では、一年生は週に二時間、二・三年生は一時間ずつ英会話の授業を行っています。先生方は指導経験豊富なネイティブスピーカーで、生きた英語のコミュニケーションを通して基礎をしっかり身につけます。
英語の授業での『学習』と、英会話の授業での反復練習による『習得』で、効果的に英語の力を養います。
短期大学では、ニュージーランドのオークランドで夏に実施している海外語学研修は、ネイティブの人たちの中で二週間を過ごします。英語に対する苦手な感じがなくなって一単位が与えられます。
このほかに、学内では毎週一コマの英会話の授業で、文法はちょっと苦手な人でも、話すこととヒアリングを重視した英語をネイティブ・スピーカーの講師が指導しています。(写真)
新渡戸基金維持会発足へ
新渡戸先生の功績を称えるための活動をする「財団法人新渡戸基金」(岩手県盛岡市)では、昨年10月に新渡戸セミナーハウスを岩手県東和町に作りました。この新渡戸基金が4月から「維持会」を作ることになり、本学園も東京で協力することになりました。個人会員は、毎年三千円以上を新渡戸基金に寄付してくださいというのが維持会の趣旨です。2月3日の産経新聞(夕刊)に掲載されました。