-6- 第339号 | 平成13年3月12日 |
医学技術専門学校
臨床検査技師国家試験の難易度が上がる
教務課長 伊藤昭三
今年の三月から臨床検査技師国家試験の出題内容と形式が変わることになりました。そもそも国家試験は、教育した内容が卒前教育として適当か、また臨沫検査技師として第一歩を踏み出すに足りる基本的な知識及び技能があるかを評価することです。
近年の医療医術の進歩、医療の高度化はめまぐるしく、検査業務に遺伝子検査等が導入され、平成5 年以降に磁気共鳴画像検査などの生理学的検査が更に8 項目追加されました。
また日本全体が急速に構造改革を迫られる中で、医療費削減により検査の保険点数の引き下げや、外部会社組織による病院内での検査など、臨床検査の世界は幾多の過酷な状況が到来しっつあります。そのような中で第一歩を踏み出すに足りる基本的な能力は、以前とかなり内容が異なり、問題解決力、応用力が今まで以上の水準を要求され、国家試験の内容も時代の要請に対応できるものになりました。
出題内人谷は、今まで知識の想起によって解答できる問題が多めに出題されましたが、今回からは基本的な技能や受験者の応用力をより積極的に評価する為に解釈型、問題解決型の問題が多くなることになりました。出題形式は、新たに設問に対して五つの選択肢を置き、完全解答による二つの正解を選ぶ形式が加わりました。この変更は、試験が難しくなることを意味します。しかし、当校は全員合格できるように学生および教職員が一丸となり万全の構えで朝早くから夜遅くまで周到な準備をしてきました。4 月の国家試験合格発表が今から待ち遠しく思います。
ひとつの『卒業』は次への『スタート』
専任講師 小谷野智子
ご卒業おめでとうございます。眠たい目をこすりながらレポートを書き上げ、幾度も友人との楽しみをお預けにして乗り越えてきた実習や試験、多くの卒業生がこうして迎えた卒業の日です。そんな中で、ひょっとしたらこの日を学業のゴールと考えていませんか?母校卒業の日、私自身大きな達成感を味わったと共に『これで当分厳しい勉強ともお別れ』と幸せな気持ちになったのを覚えています。
しかし、ある日突然それまで制限してきたテニスに水泳にカラオケにと忙しくなった私に異変が起こりました。それは尊敬する先輩の『私は、病に苦しむ患者さんへの輸血適合血選択に自信が持てなかった頃、免許を使った仕事にとても罪悪感を持ったものだ』という一言です。スペシャリスト意識をしっかり持ち、臨床医と対等に討論する先輩の姿は、まさにこれからの私たちが目標とするべきものでした。
母校に戻ってからも、先生方の勉強に対する姿勢に刺激され、勉強させていただける有り難い環境の中、勉強に対する意識が持続しています。そして様々な施設を訪れることで多くの先輩や友人に巡り合い、井の中の蛙で終わってはいけないことの実感と充実感を持てるようになりました。
例えば、昼間働きながら夜学ぶことはそんなに甘い事ではありません。大学生が楽そうに見えたら、それは隣の芝生というものでしょう。しかし、難しく思って何の行動にも踏み込めなかったら何も変わりません。特に若いはど失敗をバネに成長できるように思います。学ぶことに年齢はありませんが、そういう意味でも体力と感性の豊かな若いうちの方がより良いと私は思います。ひとつのことの達成は次のことへの自信に繋がります。大学への編入学が可能となった現在、更にチャンスを活かしやすい時代でもあります。是非、やれるときにやれることを!私も今年が新たなスタートです。一つの卒業を土台に、また皆さんと共に頑張っていきたいです。決して周囲の方々への感謝の気持ちを忘れずに。
未知の世界を旅してみませんか
専任助手 遠藤 由江
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうご ざ います。今、もっと勉強を続けたい人にとっては医技で勉強した単位を用いて大学に編入することが出来るのを卒業される皆さんもご存知かと思います。
実は、私も放送大学の三年次編入を認められたのが二年前でした。編入の申し込みをした時、医技での単位がどれだけ認められるのかを秘かに楽しみにしていましたら、なんと、大学卒業までに必要とされる百二十四単位の半分、六十二単位を取得し、三年次に編入が出来ました。その六十二単位には面接授業として卒業までに修めなければならない二十単位が全て含まれるので、勤務を休むことなく放送授業のみで勉強が可能でした。レポート提出や筆記試験合格など、一つ一つの配丁位を取得するまでには大変なことばかりだと感じる人がいるかもしれません。しかし、選択科目は一年問の予定表を見て自由に決められ、試験日は平日の夜や日曜日にも‥設定されているので仕事を休むことなく自分のペースで勉強を続けることが出来るのです。これからは、今まで歩いて釆た道が問われるだけでなく、これから歩む道が更に大切になって行くと思います。今後も自分の知らない世界を学ぶことの楽しさと大切さを忘れずに無理のないペースで勉強を続けて行けたら幸せだと感じています。現在、多くの大学で編入が認められています。卒業生の皆さんも一緒に未知の世界を旅してみませんか?