-2- 第342号 | 平成14年3月12日 |
国際性の推進
−本学園では−
学園は、初代校長・新渡戸稲造先生の「太平洋の橋となれ」の遺訓の下、広く海外との交流を行ってきています。創設以来の英語教育、海外研修、留学、帰国生の受け入れ等々、既にかなりの実績をあげていますが、今回は、これらに関わる生徒、保護者、教師の声を紹介し、今後のいっそうの国際性の推進に向けていきます。
国際感覚を磨く充実したプログラム
中学高等学校英語科主任
田中常浩
中学・高等学校には、「国際的な感性を磨く」教育の一環としてさまざまな国際交流活動を中心にしたプログラムが用意されています。なかでも夏休みを利用しての海外語学研修旅行は、本校独自のプログラムで実施され、カナダ研修は中学3年生から高校生の希望者を対象にすでに二十五回、ヨーロッパ(アイルランド)研修は高校生の希望者を対象に十一回の実績があります。また、ほぼ毎年カナダの姉妹校や海外の交流ある学校から中高生が日本を訪れ、生徒の家庭でホームステイをしながら、一緒に授業に参加したり、お互いの文化を紹介する機会を持ちます。今年の三月にもカナダから二校、カラマルカ・セカンダリー・スクールとケローナ・セカンダリー・スクールの来日が予定されています。
また長年にわたる海外との交流が新たな活動に発展し、平成十年カナダのケローナ・セカンドリー・スクールとバーノン・セカンダリー・スクール両校と姉妹関係を結び、交換留学制度が始まりました。今年度も四名の生徒がカナダで学んでいます。
さらにもう一つ、校内にいながら異文化に触れ、体験出来るプログラムもあります。「異文化交流イベント」で、毎月一回英語圏だけでなく、アジア、ヨーロッパ、アフリカなど異なった文化を持った人々と校内で交流したり。今年度は「ハロウィーンのカボチャの提灯づくり」、「クリスマスの集い」、「アフタヌーン・ティー」などを企画しました。こうした本校の国際交流、異文化体験は、異なる文化や価値観に触れることで多くのことを学び身につけ、国際的な感覚を磨く絶好のチャンスとなっています。
ポジティプな生き方
中学高等学校
五D 白井友里子
以前から興味のあった留学。とうとう夢が現実になり、カナダで留学ができることになりました。誰一人知る人がなく、まして自分の意志も思うように通じない。そんな中“Hi”と笑顔で声をかけてきた女の子がいました。私も勇気をふりしぼって“Hi”とと答えました。簡単なことでした。少しの勇気で楽しい充実した生活を送れる事に気づきました。ボジティブな考え方を学びました。
留学を終えて
中学高等学校
五E 鈴木万葉
カナダ留学を体験して、私は考え方の視野が広がったと思います。それにはカナダの人達の物の見方、考え方が強く影響しています。自分の考えだけでなく他人の意見も取り入れ、よい方向に導こうとする姿勢です。この考えを実践することで、昨年の創作ダンスで優秀な成績を収められたと思っています。一年間の留学のおかげで、英語力だけでなく精神面でも成長出来ました。
ソウルから東京へ
短大食物栄養コース一年
朴 久美
ソウルから東京へ。私の留学は「食」に対する総合的な知識を得ることを目標としています。日本と韓国は近い国ですが、人々の意識や学校システム、通貨等、その差がかなり感じられます。初めのころはわからないことばかりで不安も多かったのですが、そんな私の心を読み取ってくださり、やさしく声をかけてくださる先生方や思いやりのある友人に助けられています。日本の新たな生活の中で自分の目標を実現するため、日々新たなことにチャレンジしながら東京文化の生活を楽しんでいます。授業は実習や実験等、栄養士免許取得に必要な科目が多いのですが、日本語に自信のない留学生でも先生方の丁寧なご指導によって無理なく履修できています。これからも私は食に関する先進的な内容の多くを学ぶことが出来るでしょう。
私にとって、東京文化短期大学での新たな出会いと学習は心の中の原動力となって、これまで以上にバリバリ頑張ろうと言う意欲を持たせてくれます。
「アメリカの体験を生かして」
医学技術専門学校二年
櫻井 雅子
父の転勤の為、アメリカに引越したのは、私が高校3年生の春でした。現地の高校に転入したので、あまり英語が得意ではなかった私は辞書が手放せませんでした。その中で面白い授業もありました。スピーチのクラスで、先生から与えられたテーマに沿って、各自五分以内に意見をまとめ、決まった日にクラス全員の前で発表するものでした。こういう授業があるからアメリカの人は自分の意見を述べるのが上手なのかなと思いました。その後、短期大学に進学し、一般教養を経て医療系のクラスを取りました。そのなかで夜間(4ー8PM)に行われたクラスがありました。クラスメートの中には仕事を終えてから来る人もいて学校が多くの人に門戸を開いているのだなと感じました。短大卒業後、自分には日本の方が合っていると思い、帰国し、色々な学校の中から医技を選び入学しました。勉強が進む中で、日本の医療現場では自分が思っているより多くの「英語」が用いられているのに驚きました。将来は自分が学んだことを生かせる場所で働きたいと思っています。