-4- 第344号 | 平成14年12月12日 |
短期大学 |
新専攻の準備、そして 秋季活動風景
《生活福祉専攻設置に向けて》
4月から「生活学科」と名称変更し、従来のコース制は専攻制となり、食物栄養専攻・生活文化専攻になりました。そして、来年度からは新たに「生活福祉専攻」を加え、介護福祉士資格が取得できるように現在準備中です。9月5日には新しい施設として「介護実習室」が九号館地下に完成し、入浴実習に使う特殊浴槽を含む浴槽3基、ベッド8台、六畳の和室、準備室、その他に車椅子等の必要教材を完備することができました。 また、福祉に関しては一足先に「訪問介護員養成事業」としての「ホームヘルパー二級」が取得できる夏季研修会が開催され、本学在学生(特に生活文化専攻)と若干の外部社会人を含む40名が受講しました。この介護実習では、出来たばかりの「介護実習室」を最初に使用しました。 「生活福祉専攻」に関しては、介護福祉士養成校として厚生労働省からの内示、そして指定を待つばかりとなりました。
《優待入学制度》
来年度からの新たなこととして男女共学の導入があります。また、卒業生再入学や社会人受け入れも積極的におこなっています。特に「優待入学制度」は、専修学校、高等専門学校、短期大学、大学を卒業された方、また卒業見込みの方を対象にした制度で、自己推薦書を提出し、面接試験を受けてもらいます。入学金半額で、既に修得した単位は活かされて(必修以外)15単位以内であれば、これを本学の履修単位として認めることができます。資格取得をめざす方には絶好の制度であり、チャンスです。詳細は本学入試広報室へご相談ください。
《「中野まつり」参加》
10月5日・6日に開催された中野区主催「中野まつり」(中野駅北口広場)に初参加しました。地域活動の一環として学友会、ボランティアサークル・カノンを中心に、学生35名、加えて教職員有志が支援して模擬店を出し、本学名物パウンドケーキ、芋煮汁、アイスクリーム、ポップコーン等を販売しました。「中野区に住む人・働く人・学ぶ人たちとの交流と連帯の場」、「市民手づくりのまつり」という趣旨に合致した楽しく賑やかな催しでした。
《学園祭の終了》
「乙女による 乙女のための 乙女の祭」をスローガンとし、各研究室の展示・催し、9つのサークル合同企画「屋台村」、フリーマ−ケット等好評でした。特に2日午後の学園祭イベントは大盛況で学外からも多くの入場者がありました。学友会執行部や学園祭実行委員の活躍はいうまでもなく、一般の学生達の積極的な参加が今年の学園祭を一層盛り上げました。
家政科正宗得三郎油彩画「讀書」について
岩切信一郎
「正宗得三郎展」が開催され、本学所蔵「讀書」が出品されている。これは1921一年3月21日に有島武郎から森本厚吉へ贈呈されたものである。描かれたは贈呈の5年前の1916年、パリでのことと推測される。得三郎はマティスの影響もあって明るい色彩が主調である。が、この絵は他に比べて少々暗いものの、椅子に腰掛けて読書する女性の、まさにそこには静寂な時があって、テーマと実内容が合致した良い作品である。当時の有島は貧窮の画家や小説家、思想家への資金的支援をしていたことでも知られる。
また、正宗の長兄は白鳥(小説家)、次男敦夫は万葉学者、三男が得三郎である。有島家も長男が武男(小説家)、次男壬生馬(生馬)は画家、四男英夫(里見怐jは小説家と、両家とも文芸一家である。しかも正宗兄弟と有島兄弟を結ぶ一人に島崎藤村がいることも、もしかしたら、この絵と関係するかも知れない。
そして、この絵を森本厚吉へ贈呈した1921年は、有島・森本と吉野作造が文化生活研究会による文化普及運動を活発化させた年で、森本・有島の関係は最も熟した時期であった。そうした記念的贈り物でもあるのだ。この絵には文学と美術の人的関係が見え隠れするアウラ(霊気)がある。「讀書」、まさに秋である。
- 文中“里見「怐v”の「怐v内文字は機種依存文字です。
人名なのでそのまま使用していますが、お使いの端末によっては正確に表示されていないことがあります。
使用した文字は[弓]偏に[享]です。東京文化タイムスWeb版編集部