-7- 第347号  TokyuBunka Times  平成15年12月12日

小学校

ブース記念病院を訪ねて

小学校教諭 清水千里

 世の中で今、盛んに取り沙汰されている総合学習ですが、本校の児童は6年前より(途中行けなかった年もありますが)近くにあるグレイス老人施設を訪れ、様々な活動を通じて教室では得られない多くのことを学んできました。
 今年度は5年生の児童が同所にあるブース記念病院を訪ね、奉仕活動を通じて心を育てる学習をすることになりました。
 9月に入って、学校より歩いて10分程の所にあるブース記念病院と連絡を取り、看護部長の芝田さん、チャプレンの長島さんにお会いして訪問の意図をお話しました。病院は改装されたばかりで、清潔感と静かさの漂う素敵な所でした。我々の申し出をお二人は快く受けて下さいました。
 当日までに、担任の安藤先生から話を聞いた5年生は心の準備をすると共に心をこめて200枚近くのしおりを作りました。また、音楽の森先生と共に当日の演奏を仕上げました。
 そんな準備をする中、ボランティア室の大山さんから電話を受け6階のホスピス病棟の患者さんにも是非と依頼されました。児童にとっては四ヵ方所での演奏なので、できるだろうかという不安と共にホスピス病棟の患者さんの心に届くのだろうかと戸惑いがありましたが、お引き受けしました。
 いよいよ、10月22日。小雨の降る中ブース記念病院へと向かいました。玄関前で病院の方に迎えて頂き、2階の部屋で事務長さんから「ただ自分達が歌って聞いてもらって帰るだけでなく、患者さん達が今までどう生きてこられたのか、どうして病気になったのか考えてみて下さい。」という、貴重なお話をいただき、児童達の顔が真剣になっていくのを見ることができました。
 そして、いよいよ3階へと向かいました。我々が並んでいる間にあちこちの病室から車椅子に乗った患者さん達が集まってきました。子ども達は普段見かけることのない病気の方々を前に、緊張と驚きのあまり動きが止まったかのようになつてしまいました。緊張で声の出ない中、一生懸命歌を歌った子ども達が目にしたものは、聞いて下さったおじいさんやおばあさんの涙でした。子ども達は、その方々の気持ちで頭の中がいっぱいになっていたようです。4階、5階と上がる毎に子ども達も落ち着きを取り戻し歌うことができました。聞いて下さっている方々の姿を見て、涙を滲ませながら歌う子も多くいました。後で感想を読むと、自分の祖父母に姿を重ねたり喜びで涙を流して下さる患者さんの心を知ったからの涙だったようです。歌い終わった後、歌を聞いて下さった御礼を書いた手作りのしおりを手渡し、握手をする姿も見られるようになり、暖かいものが子ども達の心に入り込んでいくのがわかり、我々引率の教員の心も深く動かされました。
 6階のホスピス病棟では、ベッドに寝たままの方々が部屋から付き添いの方々と共に来て下さいました。歌い終わった後、ベッドに近寄りしおりを手渡す子ども達、聞いて下さって嬉しい想いでいっぱいでした。
 各階でお会いした医師の方々の笑顔や、看護の方々の明るく働く姿も子ども達は目にしたことと思います。とても、貴重な経験をした一日でした。児童の感想の中か.ら一編、紹介をしておきます。


photo


5年 阿部史弥

 最初、歌っている間に泣いている人がいた。ぼくはその人を見た時に自分も泣きそうになりました。なんで泣いているんだろう?なんで泣くんだろう、自分もなぜ泣きそうになってしまうのか考えながら歌を歌いました。たぶん泣いている人は、むかしのことを思い出していたからだと思います。自分は未来にこういう風になるからだと思いました。
 しおりをわたした時、あくしゅで手をつないだ時、すごくあったかくて、やさしい人なんだなあと思った。全員の人とあくしゅをしておけばよかったと終わった後、思いました。
 「ありがとう。」と言われた時に、すごくうれしくて、それとともに病気がなおってほしいと思いました。
 最上階のホスピスの人たちのところへ行きました。今までは車いすやいすにすわっていた人が全員だったけれど、今回はベッドにねながらきた人もいました。顔の色が土の色になっていた人もいて、最初歌をうたつていいのかなあと思いながら、最後までうたった。
 ここに行って勉強したことは、どんなに歌のへたな自分でも病院にいる人にとっては、心にのこるすごくいいことなんだなあと思いました。

こども こども

たてわり遠足


小学校長・幼稚園長 福田景三郎


 10月15日、全校遠足が行われました。みんなが楽しみに指折り数えて待っていた日です。子ども達の気持ちを表すように秋晴れのすばらしいお天気でした。
 今年は、サマーランドです。一年生から三年生までは、最初から水遊びです。大きな大きなプールで歓声があちこちであがります。
 四年生から六年生は午前中は遊園地で遊びます。こっちは、キャーキャーの連続。
一緒にお母さんのおいしいお弁当を食べて、午後はみんなでプール遊び。
波のプールで大波小波。一年生には山のような大波、波に乗ろうとする子、波をはねのける子、みんな笑顔、笑顔です。上級生が下級生をおんぶして波をのりこえたり、一緒にボールで遊んだり。
たてわりのすばらしさが今日も大いに発揮されました。


次へ次頁へ
戻るタイムス目次へ戻る

戻る東京文化短期大学資料室へ戻る

戻る 東京文化学園ホームページへ戻る

Copyright (C) 2003 TOKYO BUNKA GAKUEN