-1- 第359号  平成19年12月12日
TokyuBunka Times

2008年4月から、学校法人 東京文化学園は学校法人 新渡戸文化学園に変ります。


創立80周年


 創立記念日を間近に控えた10月13日(土)午後1時半から、学園関係者をお招きして、創立80周年記念式典が体育館で開催されました。
 第一部の式典では、まず森本学園長から、新渡戸精神を引き継ぐことを明らかにするために来年度から法人名を新渡戸文化学園にするとの挨拶がありました。続いて、豊川理事長の式辞があり、理事長に就任したいきさつを述べ、教育者として社会的弱者の教育に取り組んだ新渡戸稲造の名を冠する学園として、決意を表明しました。
 祝辞は本学園の高校卒業生であり、フォークシンガーのイルカさんから、在学中の恩師とのエピソードを含めて、お祝いの言葉をいただきました。
第二部の講演では、新渡戸稲造研究の第一人者である佐藤全弘・大阪市立大学名誉教授から「新渡戸精神を生きるあなたに」と題して、本学園の建学の精神である「3H精神」とそれを翻訳した「いのち、やさしさ、おもいやり」について、新渡戸先生の生き方との関係をわかりやすくお話しいただきました。
第三部の祝賀会は、会場を移して行われ、席上、湊同窓会長から豊川理事長に一千万円の寄付金の目録が贈呈されました。

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▲「新渡戸精神を生きるあなたに」講演する佐藤全弘氏

小学校創立60周年

 10月6日に小羊会(小学校同窓会)の総会が開かれました。60周年を記念して、小学校卒業生で作家の浅田次郎氏の講演が行われ、在学当時のエピソードを含んだお話がありました。



新渡戸稲造 その(7)

キャラメルおじさん

常務理事 升野 龍男

 晩年の頃、私は国内外で国内でもかなりの著名人になっていた。でも、子供達の多くは新渡戸稲造がどんな人物であるか、知らない。それは現代の中学生、高校生、大学生でも同じではないだろうか。「武士道」を書いた人物、前の5000円札の肖像といっても、多くの若者達は私の名を思い浮かべないだろう。また私は大の子供好きである。しかしながら子供の方が私を好いてくれるとは限らない。
 だからコミュニケーションが大切なのだ。そこで近所の子供たちと仲良しになるためにね、私はいつもポケットにキャラメルを忍ばせていたよ。それが心の橋渡しとなってくれた。だから私は“キャラメルおじさん”と呼ばれていたのだよ。
 嬉しいね。しゃがんで、同じ目線で会話しないと通じないんだね。人はその威厳で慕われることはない。また、その高名さで親しみやすさを得られることもないもないのだよ。そういう視点で新渡戸祭のスローガンを見ると、私の考え方を後輩達はしっかりと受け継いでくれていると思う。「われ太平洋の架け橋とならん」は「新たに渡る戸を開け!」と現代的に翻訳し直してくれた。また夢の大切さを指摘した次の言葉「夢こそ来るべき時代のさきがけである」の言い換えは傑作だ。
 新渡戸の前に夢を付けたとはね。つまり「夢新渡戸=夢に飛べ」としてくれたんだ。そう、この学園は「大きな夢を育てる小さな学園」。“新たに渡る戸を開き”、“夢新渡戸=夢に飛べ”学園なんだ。私の名前を学園名にしてくれたことも感激的だが、それ以上に私の想いをしっかりと引き継いでくれていることの方が嬉しいよ。


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