-6- 第359号 |
| 平成19年12月12日 |
2008年4月から、学校法人 東京文化学園は学校法人 新渡戸文化学園に変ります。
〜縦割り生活班の良さ〜
「全校遠足」
安蔵素乃
みんなが楽しみにしている「全校遠足」は、小さな東京文化小学校ならではの伝統的な行事の一つです。毎年、秋には全校児童で自然の中に出かけています。
後期の縦割り生活班は、10月に新しいメンバーの顔合わせがあり、1年生が初めて掃除に加わるようになります。各学年から2名ずつ12名が一つの班で、前期後期のメンバーは代わりますが、6年生は必ずどの子も班長を経験しています。掃除の時間には自然と、上級生が下級生を指導し、下級生が上級生を慕っていきます。
給食室手作りのお弁当をかこんで
毎日、校舎全体を全校児童が縦割り班で清掃しながら、自然に兄弟のような縦の絆も深まっていきます。縦割り班が発表されるとすぐに「ランチデー」があり、班ごとにお弁当を囲んでおしゃべりし、遠足ではどんな遊びをしようかと、班長が中心になって計画を立てていました。 食後は班ごとに遊んで、顔や名前を覚えていきます。
さあ、背中をおしたら中に入ってね
10月19日に全校遠足で昭和記念公園に出かけました。公園に入ってからは、班ごとに広い園内を自由に探索しました。歩みの速度が違うメンバーを気遣いながら、地図を片手にチョット狭い道を選んでみたり、池の近くへいったり、迷子を出さないようにして、コスモス畑の美しい原っぱへ集合しました。三々五々に「みんなの原っば」へ集まってからは、鬼ごっこをしたり、長縄をしたりして遊んでいました。大きな子が小さな子の手を取って大縄の中に入れてあげたり、手加減しているとわからないように小さな子の鬼に捕まってあげたりして、本当に楽しそうでした。
「班長、次はどっちへ行くの?」
近くを通りかかった年輩の紳士が、笑顔で近づいてきました。
「小さい子も大きい子もいるんですね。何年生かなと思ってよく見ていたら、いろいろな年頃の子がまじっていて、みんなで仲良く遊んでいるものですから…。」と、さも驚いたという様子で、とびきりの嬉しそうな笑顔で、話しかけてきたのです。少子化が進む都会の中で、異年齢児童が集団で仲良く遊ぶ姿を見かけることは少ないのかもしれません。
その嬉しさを思わず伝えに来てくださったようでした。私達の小学校では当たり前になっているこの姿は、とても貴重な姿になっているのだと改めて感じました。
昭和公園の「みんなのはらっぱ」で
大きなお兄さん、お姉さんに楽しく遊んでもらえるので、一、二年生はただただ大喜びです。三.四年生は上級生の姿を見ながら成長しています。五年生になると、六年生を補佐してリーダーシップをとる子も出てきます。学年の違う子ども達をまとめて楽しく遊べるように工夫するのは難しいことでしょう。しかし、六年生になるとどの子も必ず上手に小さな子達の面倒を見て、班をまとめています。実に、自然に上級生と下級生が交じり合っています。
中央教育審議会の中間発表では、中高生に小さな子ども達と接する機会を持たせ、命の尊さを学ばせる必要があることが盛り込まれていました。
東京文化小学校の六年生はどの子は、自分達が上級生に楽しく遊んでもらい、優しく教えてもらった経験があるからこそ、自分達もまた小さな子に優しく上手に接することができるのです。自然に思いやりを持ち、命の尊さを学び、実践しています。
「伝統」から子ども達自身が学んでいます。
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