「第63回 野尻学荘だより」 第5号


学荘は前半を無事に過ごし、折り返し点を迎えようとしています。
ここ数日気温の低い日が続き、10日の早朝の最低気温は16度。
その時の水温は26度でしたので湖面からは湯気が立って、美しく幻想的な湖の姿が出現しました。早起きしたボーイズで釣り糸を垂れている者もいます。静かな平和なひとときです。

昨日からは気温も上がり活動しやすくなりました。800米の快泳は全員23バディ(46名)が参加し、20バディが完泳しました。
惜しくも途中でリタイアしたボーイズも、足の立たない所でこの距離に挑戦した事は称えられるべき大きな体験だと思います。

今日12日はアウティングの始まりの日。
14日にかけて各グループごとにテント、寝袋、食料を持って出掛けます。雨模様になってしまいましたが、幸い今日の行動中は降られず、今しがた、それぞれの目的地から無事到着の連絡が入ったところです。

グループと行き先を記しておきましょう。

第7キャビン  12〜13日  大池泊 斑尾登山

第8キャビン  12〜13日  大池泊 斑尾登山

第11キャビン 12〜13日  高谷池泊 火打山登山

第6キャビン  12〜13日  高谷池泊 妙高登山

第12キャビン 12〜13日  赤池泊 (原生花園)

第9キャビン  13〜14日  大池泊 斑尾登山

第5キャビン  13〜14日  高谷池泊 妙高登山

行先に応じてキャンプのマイクロバスやバンでスタッフが送迎しています。
もうひとつ学荘の生活のひとこま、デューティー(清掃)の事もお伝えしましょう。毎日朝食後、自分たちのキャンプ場を分担して清掃します。食器洗い以外のキャビンは食堂やトイレ、小径(こみち)などをきれいにします。
学荘のボーイズたちはよく働いてくれます。トイレの便座も外して磨いてしまう念の入れようです。このような体験があるので、あるボーイズは皆の前で特に発言を求めて立上がり「せっかくきれいにしたトイレだから、気持ち良く使うよう皆で気をつけよう。特に出る時はスリッパは次の人のために履きやすいよう反対にむけて脱ごう」なんて発言します。自分たちで苦労したから一層大切に使う、この事を皆が実感として持っているのです。

今晩キャンプ場に残っているのは2キャビンだけですので

静かな夜になりました。

明日には汗まみれになったボーイズが帰ってきます。

そう、学荘に「帰って」くるのです。

たくさんの賜物を与えられて。
 1998年8月12日

荘長 殖栗信夫



Next次へ


Return野尻学荘だよりINDEXに戻る

Returnキツツキ通信に戻る