「第63回 野尻学荘だより」 第8号


今日は学荘での2回目の日曜日です。私たちはキリスト教の信仰に基づいた生活態度の涵養を目指していますので、この日を「聖日」と呼んで、いつもの日とは少々違う過ごし方をしています。起床はいつもより30分遅く6時30分。午前中はメインホールで聖日礼拝です。全員たすきをかけた正装で上地チャプレンのお説教を聞きます。

久しぶりに顔を出した太陽はボーイズたちをウキウキさせます。全員での記念写真を何枚も撮りました。午後の静かな時間(午睡)の後は全て自由時間です。数日前に陶芸で作品を造ったボーイズは窯開けの日です。このために佐賀県伊万里市から駆け付けてくれた、学荘出身の陶工、山崎さんが造ってくれた窯です。4時間もの長い自由時間を、皆心から楽しんでいる様子です。夕食の頃から深い霧が発生して、予定していた夕陽会(せきようかい)は延期になりました。

さて、学荘では毎晩、各キャビンでカウンセラーと共に就寝前のひととき、ディボーションを守っています。「晩祷」が元来の意味ですが、その日の反省や整理、皆の心に掛っている事をめぐってランプの下で話し合います。また、キャンパー日誌にその日の感想を記入してます。今年の中学一年生の日誌からごく一部をご紹介いたしましょう。

[自由記述]

僕は学荘にくるまえは、学荘に行きたくなかった。なぜなら2週間がとても長く、また宿題もたくさん残っていたからである。学荘の前日、母に宿題をやらされ(しかも3時まで)学荘に行くバスの中では不きげんだったが、途中からキャビンの仲間ともなかよくなりました。結果的には学荘に来てよかったと思いました。(M.S)

[自由記述]

学荘は温かい。学荘には新しいことがたくさんある。共同生活が楽しいこと、知らなかったことなど多くの事が学べる。学荘には家と違って親がいない。学校とは違い上下関係がなく、新しい環境です。(Y.H)

[自由記述]

初めての学荘で、初めての「アウティング」を体験して、まず「つかれた」。アウティング(大池と斑尾)を甘く見て、気軽な気持ちでいたら大雨にあって本当につかれた。夕食も3時間かけでつくり、とても苦労した。夜は夜で寝むりにくかった。いざ斑尾に登るときも、どろと汗まみれになり、めちゃくちゃにつかれた。だけど2日めには天気が晴れて斑尾山に登れ、カレーもおいしくたべられたし、結局良き体験になったと思ふ。(Y.O)

[今日一番感じたこと・印象に残ったこと]

ぼくが頭痛でねているのを見て、Mが「静かにしてやれよ」といってくれました。心からありがとう。(T.I)

[今日の一言]

中学の友情は磁石の同極のように反発して相入れません。
学荘は磁石の異極のように集まってひかれていきます。(Y.H)

[今日の一言]

学荘1日目=協力、2日目=大切、3日目=運命、4日目=友達、5日目=感動、6日目=存在、7日目=回収、8日目=自由、9日目=平和 (M.H)

[カウンセラー日誌から]

「グループとは、1枚のキャンバスに色々な色を混ぜて一つの色にすることではなく、色々な色がそれぞれの色を出して描かれたキャンバスみたいなもの」と彼らに話した。人との関わりの中で彼らがどれだけ自分の色を出しながら、なおかつ共有し合えるか?方法は解らないが残された日々の中でやっていきたい。(高校生担当 M.Y)

明日はいよいよ3、5⊃の遠泳の日です。
9時にフェリーに乗ってお島まで渡り泳ぎ出します。
ボーイズの安全を祈っていて下さい。

1998・8・16

荘長 殖栗信夫


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