「第66回 野尻学荘だより」

No.66−2

発信日:2001/08/11(Sat) 07:10




野尻学荘の朝は ゆったりとした時間が流れています。
起こされてバタバタとする場面はありません。それぞれが、自分のペースで朝を迎えています。

メインホールからチャイムが響いて来ました。
野尻学荘の生活リズムはチャイムが創り出します。メロディには、歌詞がつい
ているのです。それを聞いて次の行動を起こします。
例えば朝は「あさだ、おきろ、あさだ、おきろ。」と鳴っています。
これから1時間、食事の前の旗揚げの集合まで、ゆったりと過ごします。
洗面の後、ススで汚れたランプを掃除したり、キャンプサイトを散歩したり、湖を見に行ったり、釣りをしたり・・・

朝から自分の意志で活動をしているのです。街での生活では考えられない元気な朝です。
自分の身の回りの事をやってくれる人はいません。2週間自分の事を自分でするのです。これは、これから生きていく上で、とても大切な経験になることが分かっています。
ちょっとした援助があると大人でも、人に対して甘えてしまいますが、ここではみんな自分でやっている環境ですので、甘える事は出来ません。小言は言われないかわり、誰もやってくれないところが学荘の良さです。

夕方、中学1年生のキャビンをのぞいてきました。
安倍リーダーのキャビンでは、トランプをしながら楽しそうに話をしていました。まだ、ぎこちないのですが、リーダーをからかったりしながら、調子がアップしてきているようです。

隣の石澤リーダーのキャビンでは、一つのベッドにみんなで入って「暑い、暑い」と言いながら、誰かが持ってきたマンガを読んでいるのには、思わず笑ってしまいました。

触れあって、声をかけて、一緒に食事をして、掃除をしたり、一緒に過ごすうち、人間関係の線がどんどん増えていくのです。
人との関係のスタートは、後で思い出すことのできない程の些細なことがきっ
かけになっていきます。
キャンプは、街の生活では考えられないほど、この「きっかけ」が多くあるのです。
一緒に遊んだり、笑ったりしていると、いつの間にか、人に声をかけられたり、自分から声をかけたりするものです。

学荘で出会う仲間は、年齢を超えた関係もたくさんあります。帰る頃にはどんな仲間になっている事でしょう。
本当に楽しみです。

学荘便り66_2

(8月11日・副荘長 斉藤 章)

注記:この「野尻学荘だより」は会期中野尻学荘現地から直接BBSにお送りしたものを再編集しました。


Next次へ


Return野尻学荘だよりINDEXに戻る
Returnキツツキ通信に戻る