学荘の生活も六日目を終え、この野尻キャンプ場で生活しているんだという実感が感じられるようになってきました。
一般的なキャンプは2〜4泊、長くても一週間ですが、学荘ではまだ約3分の1が経過しただけです。
この生活ベースのゆったりした時間、そしてその中でじっくり育まれるリーダー・スタッフとの信頼関係が学荘の大きな土台です。
ボーイズ達もここでの生活にもだいぶ慣れ、時間に追われることなくヨット、ボート、カヌー、水泳をはじめとする水上プログラム、陸上では楽器、写真、アーチェリー、野外活動技術、木工などさまざまな活動を楽しみ、そして仲間との生活を営んでいます。
学荘6日目、8月12日には「快泳」を行いました。
「快泳」は言うなれば小遠泳で、ボーイズにとっては学荘での最初の大きなイベント、あるいはチャレンジです。
午睡(静かな時間)後、担当リーダーから隊列の組み方、泳ぎ方などの説明をしっかり受け、キャンプ場のすぐ北側に突き出た寺ヶ崎の突端から隊列を組んで湖水に入りました。
コースはキャンプ場が見える沖に出たあたりで大きく左に曲がりキャンプ場までの約800mを泳ぎました。
天気は曇り、気温25度、水温28度、毎秒2〜5mの風、そして時折湖上のモーターボートが作った大きな波が押し寄せるあまり良いコンディションとは言いがたい状況でしたが、一緒に泳いだリーダーや伴走したボートからの励ましを受けて約25分ほどで泳ぎ切りました。
昼食時から緊張していたボーイズ達も、小遠泳とはいえやり遂げた満足感と安心感からでしょう、陸に上がり用意された葛入り紅茶をすする笑顔はとてもさわやかで素直な笑顔でした。
快泳後のフリータイムでは早速、あれがしたいこれしたいと申し出るボーイズも増え、夕食時では普段よりも一段と元気な「ごはんだごはんだ」の歌声といただきますの声がありました。
食事をしながらキャビンの仲間と談笑するボーイズの表情も生き生きしていて、また一つ殻を破り一歩大人になったように見えます。
こうしたボーイズ自身のチャレンジが学荘のモットーである「限りなき成長」の大きなステップとなるのでしょう。
次の大きなプログラムは14・15日に行われるアウティングです。
キャビン毎にテント、野外料理用品を持参して妙高山、斑尾山、野尻湖周辺へ行く予定です。
今日の夕食では各キャビンのテーブルに一緒に行くプログラム・リーダーが招待され談笑していました。
本日の快泳でステップアップしたボーイズ達の表情は以前のような不安な様子は影をひそめ、みな明るく前向きに見えます。
あと残り約10日間、ゆったりした仲間との生活とさまざまな活動でボーイズ達がどれだけ伸びてゆくか楽しみです。
(プログラム・ディレクター 高橋 伸・写真はアーチェリー実修)
注記:この「野尻学荘だより」は会期中野尻学荘現地から直接BBSにお送りしたものを再編集しました。