-4- 第352号  TokyuBunka Times  平成17年7月8日

ルネッサンス80プロジェクト
医学技術専門学校

検査技師としての節目に立って

静岡赤十字病院 関根 久実

Photo  医技を卒業し、地元の病院に就職して七年目に入りました。
 毎日、日常の検査に追われながらも楽しく仕事をしています。今回私は、日本医学検査学会で学術研究奨励賞を頂きました。この賞は、昨年の学会発表の一般演題の中で推薦を頂き、論文を書いて頂いた賞です。各部門にわかれているので、私の他にも九人の方が受賞しています。研究テーマは、病気のために壊れていってしまう破砕赤血球についておこなったものです。私の病院の血液検査室は、常に学会発表を自分の目標の中に入れて日々仕事に励んでいる検査室です。その中で最初のテーマを頂き、そのテーマに基づいて日常の検査の中から症例を集めて検討していきます。しかし、今回この賞を受賞するまでに、今までに地方、全国含めて学会発表を行ってきましたが、楽なことばかりではありませんでした。自分の思うように症例が集まらなかったり、結果がうまくでなかったり、辛くてやめてしまおうかと考えたことも何度もあります。しかし、そこで諦めなかったのは、医技で学んだ三年間があったからだと思います。辛くても充実していた学生生活、自分が将来なりたいと思う臨床検査技師像があの時あったからこそ、今の自分を奮い立たせている原動力になっているのではないかと思います。
 学校での基本実習から臨床現場に入り普段思う事は、常に検体の背後には患者さんがいるという事です。そして患者さんの背後には多くの家族がいるという事を、常に忘れてはならないと思います。今は機械の自動化が進み、検査値を出してくれます。しかしその検査値には、患者さんの人生がかかっています。私達は、検査室にこもりきりではなく、患者さんの顔が見られ、気持ちのわかる検査技師を目指さなくてはいけないと思います。今回この賞を頂きましたが、決して一人で頂いた賞ではありません。今まで指導して頂いた上司、私を支えて下さった先輩、仲間がいたからこそと思うのです。まだ、単なる一通過点にすぎません。医技を卒業し、活躍されている先輩方は多くいます。私は、ようやくそのスタートラインに立てました。その先輩方を見習い、これからも更なる努力をしたいと思います。



オーストラリア研修旅行に参加して

2年 横川 李佳

Photo  研修旅行は一週間でシドニーとケアンズの二都市を訪れました。シドニーではプリンスオブウェールズ病院の病棟と検査室を見学しましたが、日本の検査室と比べてとても明るいのが印象的でした。それは病院が新しくて綺麗という訳ではなく病院の人たちの雰囲気が明るかったからです。皆、親切でとてもフレンドリーでした。最近、日本の病院もメンタルな部分を中心に考えるようになり、古くて汚いというイメージを変えつつありますが、まだどこか事務的で威圧感を感じることが多くあります。日本の病院にもオーストラリアのような明るくアトホームな感じが加わっていけば、もっと患者さんの心の支えになるのではないかと思いました。この日の夜にはNSW大学の学生との交流会という貴重な体験の時間も持てましたが、私は英語力の不足で自分の気持ちを満足に伝えることができずとても残念でした。世界共通語である英語の大切さを知り、勉強したいと思いました。
 シドニーは近代都市でしたが後半に移動したケアンズは熱帯雨林や海がすばらしい大自然の中にありました。亜熱帯気候という環境下で暑い中、リゾート感覚の開放感を味わえる素敵な場所でした。ここでは、ジャプカイ・アボリジニ・カルチャーパークに行きました。オーストラリアは移民の国ですがアボリジニは4〜5万年前からこの大陸に住む原住民です。このパークでは槍投げやブーメラン投げを体験し、ダンスショーを観て自然に活き続けるアボリジニの文化に触れました。この他にもグレートバリアリーフでのシュノーケリングや熱帯雨林散策など、この土地ならではの楽しい思い出がたくさんできました。
 最終日に近付くと、日本に帰りたくないような思いに駆られました。この研修旅行に参加して私は当たり前の事のようですが日本は世界の一部であるという事を感じました。そして、世界の事をもっと知りたいと思うようになりました。


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