-4- 第354号 |
| 平成18年3月6日 |
医療の明日を担う卒業生の皆さんへ
校長 岡部紘明
東京文化医学技術専門学校第五十四期生の皆さん卒業おめでとう。
皆さんは三年間の学園生活を終え、社会への出発点に立とうとしています。二十一世紀の医療の担い手としての路を歩み出したということです。
医学・医療技術を身につけて、自ら望んでヒトのために役立ちたいと願って、この路を選び,東京文化医学技術専門学校に入学しました。学ぶべきことは、授業からだけではなく、様々な人々との交流を通じて得られたものも非常に多かったと思います。皆さんが過ごした二度とない学園での青春の貴重な一時期は、今終わろうとしていますが、卒業は新しい門出です。
私は昨年四月に医技の校長として赴任して来たばかりで皆さんとあまりお話しする機会がありませんでした。私は札幌で生まれ育ちました。東京文化学園の創立者は森本厚吉先生で、初代の校長先生は新渡戸稲造先生です。二人とも北海道大学の前身の札幌農学校と言うところでフロンテアスピリットをクラーク博士から学びました。私も札幌で小さい時から青年よ、大志を抱けという言葉を教訓として育てられました。大学を卒業してから、東京都老人医療センター研究検査部に勤め、熊本大学に臨床検査医学講座を開設し研究・教育をし、附属病院の検査部長、輸血部長と臨床検査の道を歩み、昨年四月から医技の校長として赴任しました。
「卒業」とは学校の全課程を習い修めることです。英語では「graduation」と言い、gradeは目盛り、段階の意味で一段上になることを意味しており、卒業式のcommencementの本来の意味は始まると言うことです。卒業式は一段上を目指してこれから始まると言う儀式です。卒業おめでとうと言うことは、これから皆さんが色々な苦労を重ねて、新たな人生の旅立ちの資格を得た事を祝い、激励することなのです。
本学園は創立の精神に基づいた独自の歴史があります。学校の徽章の盾には、二つの小さなHと一つの大きなHが組合わされ、小さなHは頭HEADと手HANDSを意味し、大きいHは心HEARTを意味してます。頭は実生活に役立つ知識、手は実行力ある手、心は自分のことばかりにとらわれない心の広い親切な心の持ち主を目指したものです。、これから本当の意味の臨床検査と言う専門分野の一段上の開拓を始める精神です。医療はヒトの命を預かる崇高な職業です。
皆さんは医療分野の仲間として誇りを持ち生涯にわたって自己研鑽に努めて、3H精神を持って、それぞれの立場で全力を尽くして戴きたいと思います。
健康食品管理士の認定資格について
教務課長 伊藤 昭三
平成十六年に健康食品管理士認定協会が発足後、学校として初めて昨年十一月に三年生(任意受験)が受験し、好成績の合格率を出しました。
この協会発足の背景には、現在多くの健康食品が出回り、中には非常に高価にもかかわらず効果がなかったり、反対に摂取の仕方により健康を害するものもみられます。また効くと信じて健康食品を三度の食事代わりにしている方もおり、健康食品に関する問題は大きくなってきています。
これは健康食品に関する問題を的確に捉え、処理する人材が少なく、多くの健康食品がいわゆる「病気と検査」に関する希薄な知識のもとに取り扱われているところに原因の一つがあります。しかし現在のところ病気、検査、健康食品といった系統的な教育を実習も含めて行っている教育機関は皆無に近い状態でしたので、この協会の発足に至りました。 協会の目的は、基礎医学を広範に学んでいる学生に食品化学的知識をつけさせ、健康食品に関わる品質保証に基づく安全性、薬剤との有効性の比較、摂取対象者の的確な選択、摂取者の健康状態などを判断できる人材を健康食品管理士として認定することです。この資格は、学生が健康食品総論、関係法規を履修後、卒業見込で受験できる他、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師が指定研修会受講後、受験資格を得ることができます。
この資格により、病院内での栄養サポートチーム(NST)で患者データの管理を担当する際に、情報提供の支援をする担保として、また病院、検査センターが主な就職先でしたが、今後は健康食品の開発研究、治験(効き目の確認と安全性の評価で、最後の段階で患者さんの協力を得て行なわれる試験)の収集、販売、コンサルタントなどで活躍が期待されます。
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